看板は「選ばれるきっかけ」か「最後の一押し」か? |衝動来店と目的来店で異なる看板の効果

「そのお店、どうやって見つけましたか?」
看板は、通りすがりの人の目にとまる「きっかけ」にもなれば、目的地にたどり着くための「目印」にもなります。実は同じ看板であっても、来店したお客さんによって異なる効果を与えているのです。
今回は、「衝動来店」と「目的来店」という2つの来店スタイルから、看板が与える影響について掘り下げていきます。
衝動来店と目的来店とは?
店舗に足を運ぶお客さんは大きく2つのタイプに分けることができます。
1. 衝動来店
通りがかりで「なんとなく気になって入った」という来店
→感情・直感・視覚的訴求が重要
2. 目的来店
あらかじめ調べて「ここに行こう」と決めてから訪れる来店
→信頼性・場所の明確さ・店舗ブランディングが重視される
看板が与える影響:2つの違い
どちらの来店スタイルでも、お客さんは店舗の看板を目にしますが、そのとき看板が果たす役割は少しずつ異なります。そのため、それぞれのお客さんに対して有効な要素も異なってくるのです。
衝動来店 | 目的来店 | |
看板の主な役割 | 興味を引き寄せる「広告」 | 安心を与える「案内板」 |
有効な要素 | ・目立つデザイン ・短く伝わる言葉 ・感情に訴える演出 | ・ロゴ・イメージカラーの統一感 ・店舗の存在の証明 ・店舗入口の明示 |
看板がなければ… | 来店の「きっかけ」を失う | 「ここで合ってる?」という不安で来店をためらう |
上記2つの来店スタイルと看板の役割の違いに関しては、皆さんも実体験からご想像できるかと思います。
・たまたま通りすがったコンビニで新作スイーツののぼりが上がっていて買ってしまった。(衝動来店)
・近所におしゃれな雰囲気のカフェがあったので立ち寄ってみた。(衝動来店)
・SNSでおいしそうなレストランを見つけたので看板を目印にして行ってみた。(目的来店)
来店スタイルと看板を設置する意図
もし看板を立てるのであれば、効果的な看板を作るために、これら2つの来店スタイルの違いは意識したいポイントです。
たとえば、歯医者さんが「衝動来店」を狙って看板を出すことはほとんどありません。
来院する人は、あらかじめ調べて予約してから来る「目的来店」がほとんど。看板には「安心感」や「正しい場所に来た」という確認の役割が求められます。そのため、歯医者さんでは落ち着きのあるシンプルで清潔感のあるロゴ看板が多く使われています。
一方で、カフェやテイクアウトの飲食店では、道ゆく人の気分に訴えるような「衝動来店」を意識した看板が力を発揮します。思わず足を止めたくなるような料理の写真や、食欲をそそるキャッチコピー、つい入ってみたくなるようなハイセンスなデザインなど、「その場での判断」を促す仕掛けが詰まっています。
また、看板の役割は業種だけでなく、立地や集客方法によっても大きく変わります。
たとえば、大通りや人通りの多い場所にある店舗であれば、通行人に向けて強く印象づける看板を設置することで、衝動来店を促しやすくなります。
道路から目立つ自立看板や、歩行者の目線に入るA型看板などが有効です。
一方で、奥まった立地や路地裏にある店舗では、そもそも通行人の数が少ないため、看板だけで衝動来店を期待するのは難しいケースもあります。
このような場合は、SNSや口コミなどの情報発信で「目的来店」につなげることが主軸になるでしょう。
そのうえで、来店者が迷わないよう、建物前に設置する看板は「目印」や「安心材料」としての役割を果たします。
効果的な看板を作るには?
では、実際に看板を作るとしたら、どのように考えればよいのでしょうか?
ポイントは、「誰に、どんな場面で見られるか」をイメージすることです。
たとえば、通行人の衝動来店を狙うなら、
- 遠くからでも目立つサイズや色使い
- 思わず振り返ってしまう写真やキャッチコピー
- その場で入店を決断できるような「今すぐ感」や「お得感」
といった要素が効果的です。
一方、目的来店が中心の店舗であれば、
- 店舗の場所を正確に伝える誘導性
- ロゴや色を通じたブランドイメージの確立
- 落ち着きや安心感を与えるデザイン
などが重視されます。
また、どちらの場合も共通して重要なのが、店舗の雰囲気やサービスと看板の印象に一貫性があることです。
看板は、お客様にとって最初に目にする「お店の顔」です。
「お店が大切にしているもの」が、看板から伝わるか? という視点を持つことで、より効果的な看板に近づくことができます。
看板のデザインもまた、戦略のひとつ
看板はただ目立てば良いというものではありません。
「誰に、どんな状況で見られるのか」を考えることが、集客という成果に直結します。
サインズプロでは、業種・立地・来店スタイルに応じた最適な看板デザインをご提案しています。
「うちのお店にはどんな看板が合うのか?」そんなご相談も、どうぞお気軽にお寄せください。
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